当センターは、平成14年(2002年)に世界的に活躍する指揮者の佐渡裕氏を芸術監督に迎え、芸術・文化活動により、県民の心を元気に、生活に潤いを、人生を豊かにすることを目指し、阪神・淡路大震災からの「心の復興・文化の復興」のシンボルとして、平成17年(2005年)10月に開館いたしました。
「コンサートホール」とオペラ、バレエ公演に適した「オペラハウス」両方の機能を併せ持つ4層バルコニー形式の「KOBELCO大ホール(2001席、オケピット客席転換時2141席)」、演劇を中心にミュージカルや古典芸能まで幅広いジャンルの公演が可能な2層バルコニー形式の「阪急 中ホール(800席)」、リサイタルや室内楽、ジャズなどの小編成の公演に適した舞台客席一体型アリーナ形式の「神戸女学院小ホール(417席)」の3つのホールを備え、芸術文化の発信拠点として、様々な舞台芸術を展開しています。
佐渡裕芸術監督のもと、センターと共に創設された「兵庫芸術文化センター管弦楽団(Hyogo Performing Arts Center Orchestra = 通称PACオーケストラ)」は、世界各地から集まった入団時35歳以下の若手音楽家たちが、最長3年の在籍期間にオーケストラ奏者としての経験を積むアカデミー機能を持った、世界でも稀なインターナショナルでフレッシュなオーケストラです。演奏活動やアウトリーチ活動など、多彩な活動を展開しています。
地元・西宮市をはじめ多くの県民・ファンの皆様のご支援のもと、これからも佐渡裕芸術監督とともにセンターが「みんなの心の広場」を実現し続けるよう、「自ら創造し、県民とともに創造する、パブリックシアター」として、芸術性豊かなものから親近感に富むものまで、「幅広いニーズ」に応える公演を継続し、皆さまに愛され、まちの賑わいの原動力となる劇場をめざします。
当センターは、幅広い芸術文化活動を通じて、人々の交流と創造の輪が国内外に広がっていくことを願っています。
兵庫県立芸術文化センターのシンボルマークは、「復興」「躍動」「創造」をテーマにデザインされました。センターが「みんなの心の広場」として、人々が集い交流し、そして人々が創造する芸術文化を通して、人や街が、どの方向から見ても輝き躍動している様を表現しています。
みなさんと共に創造する「パブリックシアター」をめざして、佐渡裕芸術監督は、 劇場体験のすばらしさを大人から子どもまでより多くの方々に知っていただけるよう、親しみやすいオペラを企画しています。
佐渡裕芸術監督企画によるプロデュースオペラは、毎夏恒例の兵庫発のオペラプロジェクトとして、オペラ鑑賞の初心者も楽しめる親しみやすい演目を中心に、国内外第一級のクリエティブスタッフと出演陣による世界に通じるハイクオリティのオペラを制作し、入場料を低価格に抑えながら、全国的にも珍しいロングラン上演(8回程度)を行っています。
これまで、「ヘンゼルとグレーテル」、「蝶々夫人」、「魔笛」、「メリー・ウィドウ」、「カルメン」、「キャンディード」、「こうもり」、「トスカ」、「セビリャの理髪師」、「コジ・ファン・トゥッテ」、「椿姫」、「夏の夜の夢」、「フィガロの結婚」、「魔弾の射手」、「オン・ザ・タウン」、「メリー・ウィドウ(改訂新制作)」、「ラ・ボエーム」の17作品を制作・上演し、延べ約30万人の方に観賞いただきました。
今後も新たなオペラファンを開拓するとともに、さらなる舞台芸術の発展のため、兵庫から国内外にメッセージを送り続けます。
より多くの方にプロデュースオペラに親しんでいただくため、大晦日のジルヴェスター・コンサートやプロデュースオペラの開催前のオペラ歌手によるハイライトコンサート、専門家・演奏家等によるレクチャー・トーク、公開リハーサルやワークショップなどを実施しています。
独自の企画制作・プロデュース公演や他館との連携による自主制作オペラ、兵庫県ゆかりの古典芸能など良質で多彩な舞台公演を主催しています。
世界水準のオーケストラ、オペラ、バレエをはじめ、様々な国の優れた舞台公演を提供しています。
劇場・劇団とのネットワークにより、演劇、ミュージカル、ダンス、狂言、落語など、幅広い層が楽しめる良質で多彩な演目を提供するとともに、シアターコンサート等、独自企画の公演も行っています。
当センターならではの良質で親しみやすい幅広いジャンルの公演をシリーズ企画として、音楽ファンに届けます。
世界の音楽・ダンスを紹介。”楽しいコドモとオトナのお勉強”と”パスポートのいらない世界旅行”をキャッチフレーズに展開しています。
世界一流の室内楽団をはじめ、幅広く活躍している地元出身の音楽家の公演を開催します。
中世・ルネッサンスからバロックまでの古楽の世界を特集します。
10代の若く才能のある演奏家をいち早くご紹介。才能をキャッチ、素敵な音楽をキャッチしてください。
『クラシックコンサートって堅苦しい』『何だか敷居が高くって』という方のために、低料金で気軽に鑑賞できる公演を開催しています。
人気・実力を兼ね備えた国内演奏家や国外アーティストによる親しみやすいプログラムのコンサートです。
入場料500円、平日昼間60分のコンサートです。兵庫・関西ゆかりの新進気鋭の音楽家が出演します。
投票によりその年のワンコイン・コンサートNo.1に選ばれた出演者による「アンコール・リサイタル」、次年度ワンコイン・コンサート出演者と新年を祝う「新春・顔見世コンサート」も開催しています。
PACオーケストラでは、定期演奏会をはじめ特別演奏会や室内楽演奏会などの演奏活動や県内中学1年生を対象とする「わくわくオーケストラ教室」、県内市町文化施設を拠点に開催するシーズンオープニング・フェスティバル、ホールを飛び出して街の中で人々と交流できるようなアウトリーチ活動などを行っています。このような多彩な活動を通じて常に質の高い芸術性を追及するとともに、県下全域・県民各層への音楽文化の普及・浸透を目指していきます。
卒団者は世界中のオーケストラで活躍しています。
世界一流の客演指揮者やソリストを招聘しての定期演奏会をはじめ、名曲コンサートやポップスコンサート、ファミリーコンサートなどの特別演奏会や室内楽演奏会および佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ、ジルヴェスター・コンサートなどに出演しています。
佐渡裕芸術監督の指揮をはじめ、世界的な客演指揮者やソリストと共演し、古典から現代までの魅力あるプログラムを大小さまざまな編成で、1シーズン(9月~翌年8月)9回、各回3公演(金・土・日曜日)開催しています。9回通し券をお求めいただいた方には、定期会員としてお得な特典やサービスを提供しています。
名曲コンサートやポップスコンサート、ファミリーコンサートなど、親しみやすい内容の特別演奏会を開催しています。団内オーディションを行い、選ばれたメンバーが神戸女学院小ホールでリサイタルを行う「PACオーケストラ リサイタルシリーズ」も毎年好評を博しています。
PACオーケストラ誕生当初より、さまざまな編成で、バロックから現代曲まで意欲的な室内楽作品に取り組んでいます。毎年、弦・木管・金管・打楽器の各セクションが国内外から招聘したゲスト奏者とともに、趣向を凝らしたプログラムを展開しています。
オペラやバレエ公演、ジルヴェスター・コンサートなど、芸術文化センターで行われる様々な公演にも、センター専属のオーケストラという特性を活かし、積極的に出演しています。芸術文化センターの夏の風物詩、佐渡裕芸術監督プロデュースオペラでの演奏は、毎年PACオーケストラが担っています。
平成18年(2006年)より、県内の公立中学1年生全員(私立・国立などは希望制:約4万5千人)を対象に芸術体験事業を実施しています。MCや映像を用いた楽曲解説、メンバーのデモンステレーションを交えた楽器紹介など、初めてオーケストラ演奏に触れる子どもたちが楽しめるコンサートを40公演実施し、これからの社会を担う生徒の豊かな感性、創造力を育むとともに、音楽教育(体験教育)の振興を図っています。
シーズン初め(9月)、県内市町文化施設を拠点に楽団のミッションの一つであるアカデミー機能の一層の強化のためミュージックキャンプを実施。国内外のスペシャル・ゲスト・プレイヤーを招聘して、オーケストラの演奏力強化を図るとともに開催地において演奏会をはじめ公開リハーサルやアウトリーチ活動などを通じて地域の音楽文化振興活動も展開しています。
当センターから遠隔地域や日頃音楽に触れる機会の少ない医療機関、福祉施設、学校等に出向き、小編成アンサンブルによる有名なクラシック音楽やポップス、動揺など、バラエティに富んだプログラムの演奏により、音楽の魅力・感動を伝えるアウトリーチ活動を展開しています。
平成29年度(2017年度)より、新たに県内の小学校・特別支援学校にレクチャー・スタイルのプログラムを届けるプロジェクトも実施しています。
また、令和3年度(2021年度)からは、県内中学・高校吹奏楽部を対象としたリモートレッスンも実施しています。
スーパーキッズ・オーケストラ(SKO)は、当センターのソフト先行事業として平成15年(2003年)より始まった、音楽が大好きな小学生から高校生までの弦楽器によるオーケストラです。
佐渡裕芸術監督が芸術監督を務め、全国からトップクラスの演奏技術を持つ、ジュニア演奏家をオーディションし、厳しい選考を通過した未来の演奏家たちは、合同練習や夏合宿そして本番公演を通じて、かけがえのない音楽体験をしていきます。そして、演奏技術を磨くだけでなく、「音楽」ができることの幸せを子どもたちと共有していきます。
佐渡裕が率いる「スーパーキッズ・オーケストラ」は、世界で一番輝くオーケストラを目指しています。
夏休みの合宿を経て、練習成果を発表する演奏会を開催します。
佐渡裕芸術監督とともに東日本大震災や熊本地震等の被災地を訪問して、復興祈念演奏を行っています。
誰もが舞台芸術と素敵な出会ができる場所。芸術文化を介して、人と人が新しく出会う場所。当センターがそんな出会いの場になることをめざして「普及事業」を実施しています。
『作品やアーティストについてもっと深く知りたい』という方のために、アフタートークやレクチャー付の公演、バックステージツアーやワークショップ、公開リハーサルなど、鑑賞だけでない、参加交流型の楽しい普及イベントを実施しています。
故薄井憲二氏(バレエダンサー、舞踏史研究家、日本バレエ協会元会長)が世界各地から収集した世界有数の規模を誇る貴重なバレエ・コレクション(書簡、プログラム、絵画・ポスター、書籍等約6,500点)の展示のほか、プロデュースオペラ、楽団紹介、自主企画公演等の特別企画の展示を期間限定で実施しています。
地元商店街等と連携し、地域全体の振興発展と活性化を目的に、プロデュースオペラ前夜祭やイルミネーションなど、様々なイベントを企画・実施することにより、地域の賑わいづくりに参加しています。
「KOBELCO大ホール」、「阪急 中ホール」、「神戸女学院小ホール」の3つのホールのほか、2つのリハーサル室、5つのスタジオを貸し出しています。
毎月1日(休館日の場合は翌営業日)に、ホールの12か月先の1か月分と、スタジオ・リハーサル室の3か月先の1か月分の利用申込受付(抽選)を行っています。
オーケストラピットと4面舞台(舞台・両袖・奥の面積が同じ)を有し、大掛かりな舞台装置が必要な公演にも対応する機能を備えています。
コンサートの場合は、音響反射板をセットすることでコンサートホールとしての残響を確保します。
4層バルコニー形式の大型収容ホールにもかかわらず、舞台と客席の距離感を感じさせない設計と豊かな残響で、演奏会や合唱、コンサート、オペラ、バレエなどに最適です。
オーケストラピットも備え、多種多様な舞台装置に柔軟に対応できるよう、組立床による舞台床システムを採用しています。
客席空間は、舞台と客席の一体感に配慮し、2層バルコニー形式の客席の隅々まで、演者の微妙なセリフ回しがダイレクトに伝わるよう、適度な残響時間に設計しています。
1階席の最後列から舞台までが約20mというコンパクトなつくりは観客にとっては観やすく、出演者にとっては演じやすい劇空間となっています。
演劇やミュージカル、古典芸能など様々なジャンルの公演が可能です。
関西初の舞台を客席が取り囲むアリーナ形式のホールで、パフォーマーの一挙手一投足、息づかいまでもが聴こえてきそうな客席と舞台の一体感に長けたこのホールは、床面は八角形の平面形状ですが、天井面では花形を構成するという大変ユニークな形状をしており、柔らかな曲面形状の壁・天井で囲まれた小空間は、自然の音に包み込まれるような効果をもたらします。
発表会やリサイタルに最適です。